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青時雨

料理

最近めっきり暑くなりましたが、皆さまお変わりございませんか?

梅雨前に急に暑くなる熊本、体調管理が難しい時期ですが、どうかご自愛ください。

 

そんな折ですから、少し涼しさを感じる言葉をひとつご紹介しますね。

濃霧や雨上がりに、青葉に溜まった雫が滴り落ちることを「青時雨あおしぐれ」というそうです。

なんだか急に爽やかになり、心地良い冷やかさを感じる気がしませんか?

来る梅雨の到来は、あまり嬉しく思われないかもしれませんが、束の間の晴れ間にそんな情景を見つけるのは何だか楽しそうです。

 

 

では新しい献立です。

梅雨の時期を挟むこれからの瑞々しさと、「夏越の祓なごしのはらえ」という神事を取り入れたコースです。

前菜の写真で目立つ、3つの輪っか。

これは「茅の輪ちのわ」をイメージしております。

6月末に行われる、今年前半の穢れを払い、残り半年分の無病息災を願う「夏越の祓」では、「茅の輪くぐり」で心身を清めるのが習わしです。

これはかの有名な「素戔嗚尊すさのおのみこと」に関する神話が由来となっています。

旅の宿を求めていた素戔嗚尊が、貧しいながらも雑穀ご飯などで手厚くもてなしてくれた蘇民将来そみんしょうらいという人に、

「病が流行ったら茅で編んだ輪を腰につけよ」

と教え、その通りにした蘇民将来の家族だけは助かることが出来たそうです。

そこから、災いや難を逃れることが出来るとして、茅の輪を編み災厄除けにする風習から、次第に大きな茅の輪をくぐるスタイルになっていきました。

今も昔もこの時期は、人々が体調を崩しやすい時です。

栄養のあるものを取って、残りの半年も無事に健やかに過ごしたいですね。

 

シーズンものとして嬉しいのは、見た目も可愛い「さくらんぼ」でしょうか。

桜ん坊が由来とも言われるように、桜のこどもであるかのような愛らしい風貌で、その甘酸っぱい風味はまさしく初夏の味。

苺狩りやぶどう狩りは有名ですが、今年はさくらんぼ狩りも良いかもしれませんよ。

また、日が落ちると楽しみなのが「蛍」。

熊本は水が綺麗ですから、減ってきたとはいえまだまだ蛍を見ることができますね。

日中出歩くのは熱中症が心配ですが、日が暮れてからのお散歩なら大丈夫かもしれません。

日々何かと忙しく落ち着けないという方も、たまには淡い光が優しく幻想的な世界を眺めに、ゆったりとした時間を求めてお出かけされてみてはいかがですか?

帰りにはこれからの時期ですと、南の空に一等明るいスピカという星も見られるはずですよ☆

 

(文:有桂)